ベトナムのホーチミン市郊外に新しい空港の建設が開始となった。2025年に開港予定なのが「ロンタイン国際空港」で、ホーチミン市の中心部から約40キロメートルほど離れた場所でハブ空港としての役割を担う。
2020年から第1ステージ、2035年から第2ステージ、そしてその後第3ステージと綿密なプランが組まれており、合計の総投資額は1兆6200億円を計上する。
コロナウイルス感染症拡大の影響で主要産業の1つであった「観光業」に大きな痛手を負っているベトナムであるだけに、その巨額の予算に国内からは疑問の声も多く上がっている。
しかしベトナムは共産党が唯一の政党であるため、一度決まってしまった国家レベルのプロジェクトを見直すことが難しい。
新設の背景としてはこれまでベトナムの空の窓口であったタンソンニャット国際空港の受け入れ対応が限界を迎えていること、また近年の増大する東南アジア、ベトナムへの観光客の需要をキャッチするためだ。
またタイ、マレーシア、シンガポールなどの近隣諸国は大規模な国際空港を建設し、アジアと欧州、北米をつなぐ国際ハブ空港としての役割を担うようになっていたが、航空のインフラが整備されていなかったこともあり競争に出遅れていたベトナムは「ロンタイン国際空港」でその需要も取り込みたい狙いだ。
直近のコロナ禍で低迷が続いている経済においては一刻も早いコロナウイルスの収束を願うばかりであるが、ベトナムへの進出・展開を見込んでいる日系企業や、現地ですでに事業を行う企業にとっては明るいニュースであることに違いはない。