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【図説あり】タイ現地で法人(会社)を設立!流れ・手続き・費用を徹底解説

タイで法人(会社)設立の流れ・手続き・費用

タイは日本企業の生産の拠点としても、現地での消費を狙うという意味でも非常に魅力的であり、衣食住の面からも優遇制度の面でも高い人気を誇ります。

ただ実際に本腰を入れてタイに進出するために現地で法人(会社)を設立しようと考えても

  • どのような形態があるのか
  • どのような流れで、どのような手続きを行うことになるのか
  • どのような書類が必要となるのか
  • どのくらいの期間がかかるのか
  • どのくらいの費用が発生するのか

など日本で法人の設立を行うのとは違い不透明な点、わからない点も多いのではないでしょうか。

本記事ではタイで法人(会社)を設立する具体的な流れや手続き・書類、費用や期間、法人の種類などについても解説していきます。

目次

まずはタイ現地での法人(会社)設立の種類をチェック!

下記の画像の「設立の目的」や「優遇政策」が使えるのかどうかや「業種」などにの質問、最大6つに答えることで自社のタイでの法人(会社)設立はどのような種類になるのかをチェックすることができます。

 

多くの場合はタイの資本51%、日本の資本が49%の合弁会社(画像右下)となるでしょう。

BOI(タイ投資委員会)、投資奨励事業とは?
BOI(タイ投資委員会)はタイ工業省傘下の投資誘致機関のことを指します。またBOIの投資奨励制度とは8つの区分による122の対象業種においてタイで事業を行う際に、外資100%の法人の設立が可能になったり、一定期間内の法人税の免除や関税の免除などの恩恵を受けることができます。

BOIの対象事業
JETRO 「外資に関する奨励」https://www.jetro.go.jp/world/asia/th/invest_03.html

タイ現地で法人(会社)を設立!種類・流れ・手続き・費用は?

ではタイで事業を行う場合の進出の形態として最も多い形態である合弁会社の設立について種類や流れや手続き、費用に関して詳しく解説していきます。

そもそもタイの法人(会社)について

タイの法人(会社)について

法人には非公開会社と公開会社、2つに分類され基本的には日本企業はタイで非公開会社として登記します。

公開会社は発行株式のどれか一部についてでも譲渡制限を定めていない会社であり、非公開会社は発行されている株式の譲渡に制限がかけられているもので、日本の大半の中小企業も非公開会社にあたります。

ここでのポイントととなるのは、サービス業や販売業などの業種ににおいて、タイで法人を登記する場合は外国資本100%で登記することができず、外資が50%未満(49%以下)でないと認められないことです。

これが何を意味するかと言うと、51%以上の現地のタイ人による出資が必要ということです。(詳しくは次項の①合弁会社で解説しております)

また一方で、100%の外国資本とできる制度や方法もあり、1つ目としてはBOI(タイ投資委員会:Board of Investment)の投資奨励事業として認可された場合、2つ目としては外国人事業許可を取得した場合が挙げられます。(こちらも下記で解説しております)

タイで法人(会社)の設立の種類について

タイで法人(会社)の設立の種類について

タイで法人の設立は先述しているような資本比率によって大きく4つの種類に分けることができます。

どのくらいの期間設立ができて、どのような制度を使い、どのような事業を行うのかによって種類が変わってきますのでその詳細やメリット、デメリットも見ていきましょう。

①合弁会社

「タイで法人を設立する」という多くの場合はこの合弁会社のことを指しています。

タイ人による出資が51%以上で、日本からの出資が49%以下の会社のことです。

設立期間は目安として1~1.5ヶ月程度を見ておくと良いでしょう、また資本金は現地法人として日本人の雇用を伴わない場合は15バーツ以上とされています。

もし日本人の雇用を行う、つまりビザや労働許可書を取得して事業を行う場合に関しては、日本人の雇用1人につき、200万バーツ以上の資本金が必要となります。

合弁会社のメリット:事業に柔軟性があります。と言うのもBOIやその他許可をもらって会社を設立すると、事業範囲にに制限がかけられてしまい「やりたいのにできない」ということが起こり得ます。また設立までの期間も早く、スピード感を持ってタイへの進出を行うことが可能です。

合弁会社のデメリット・注意点:信頼できて、協力的なタイ人のパートナー、企業を見つけることができないといけない点と、タイ人の権限を抑えるような定款を作る必要があり、できてないと経営に支障が出る可能性がある点です。

タイ人出資の比率が51%以上について
そもそもこれは外資規制によるもので、主に東南アジアなどの競争力がまだない国によく見られる制度です。外資規制が設けられている理由としては外国企業に対する制限をかけることで国内の資源や資産を守る意図があります。 これを知らずに海外で事業を行ってしまうとペナルティーを課される場合があるので注意です。 また疑問としてタイ人の出資比率が51%以上になることで「会社を乗っ取られる」と言う類の心配があると思います。 それに対してはまず前提として信頼ができ、協力的である現地パートナーを見つけることが大切です。 その上で定款の設定において、タイ人の出資者の権限をうまく抑えられるように作成ができれば、問題になることはありません。

②BOI奨励取得の日本独資の法人

BOIの奨励事業として認められ、日本資本100%で設立できる法人形態のことです。

BOIから8つの区分による122業種の中でも国の競争力を促進し、タイ国内や海外での価値が高いと認められることができればこの形態で設立が可能になります。

具体的な対象区分としては農業・農作物、鉱業・セラミックス・基礎金属、軽工業、金属製品・機械・運輸機器、電子・電気機械産業、化学・紙・プラスチック、サービス・公共事業、技術・イノベーション開発が認められており、区分や業種に応じて優遇を受けることができます。

設立期間は目安としては6~8ヶ月程度資本金は300万バーツ以上が必要となります。

BOI奨励取得の日本独資の法人のメリット:法人税の免除や輸入税の免除など様々な恩恵を受けることができる点でしょう。またBOIから認められている会社ということで信頼を得ている状態で事業を行うことができることもメリットの1つです。

BOI奨励取得の日本独資の法人のデメリット・注意点:審査のハードルが高いということと、設立までの期間が合弁よりも長く、また資本金の最低金額300万バーツ(約1050万円)以上と設定されている点です。

③外国人事業許可証取得の日本独資の法人

商務省外国人外国事業局により個別に特別な許可がおりた事業に関して、日本100%の資本での法人の形態です。

1つの事業につき資本金が300万バーツ以上が必要となり、海外からの送金証明を1年以内に提出する必要があります。

また外国人事業法においては卸売や小売は原則的には日本資本100%では許可されませんが、1億バーツ以上の資本金を積んだ場合に設立可能となります。

設立期間は目安としては6~8ヶ月程度となります。

外国人事業許可証取得の日本独資の法人のメリット:100 %日本資本で設立できる会社形態のため、乗っ取り等の心配や意思決定のスピードを早くできるという点がメリットとなります。

外国人事業許可証取得の日本独資の法人のデメリット・注意点:外国人事業法に配慮しなければいけないということ、また設立までの期間も長く、資本金も300万バーツ以上が必要となる点です。

④日本独資の法人(製造業)

タイにおいては製造業は外資規制の影響を受けないので、日本資本100%で会社を設立することができます。

ただ注意が必要な点として日本でいう「製造業」の定義とタイの製造業の「定義」が異なるということで、顧客から注文を受けての製造は製造業ではなく、請負業とみなされてサービス業という区分になります。

その場合は外国人事業法に則る必要があります。

日本独資の法人(製造業)のメリット:100 %日本の資本で設立できる会社形態のため、乗っ取り等の心配や意思決定のスピードを早くできるという点がメリットとなります。

日本独資の法人(製造業)のデメリット・注意点:日本の製造業の認識とタイの製造業の定義は違うので、事前に調べる必要があります。またもし知らずに事業を運営しているとペナルティーを課される場合があるので細心の注意が必要です。

タイでの法人を設立する上での大まかなの流れ

タイでの法人を設立する上での大まかなの流れ

  1. 規制や事前の調査
  2. BOIやIEATの検討
  3. 会社形態の決定
  4. タイの出資者の決定(100%外資でなければ)
  5. 会社名の予約・決定
  6. 事務所の契約
  7. 基本定款(MOA)の作成・登記
  8. 会社設立総会の開催
  9. 会社設立の登記(最終登記)
  10. 納税者番号(TAX-ID)の取得と付加価値税(VAT)の登録
  11. ビザ・労働許可書の取得や社会保証基金・労働者保障基金への登録と拠出
  12. 銀行口座の開設

※法人を設立するための大まかな流れではありますが、その期間や種類などによって前後する可能性や法令の改正によって変更になる可能性もあります。

タイ現地で法人設立する上での具体的な手続きと必要となる書類

タイ現地で法人設立する上での具体的な手続きと必要となる書類

ここからは上記で紹介した流れに沿って、各項目ごとでの具体的な手続きの方法や、必要となる書類に関して紹介していきます。

規制や事前の調査

まず大切なことはタイに進出するに当たって事前の調査を入念に行うことです。

具体的には外国人事業法や外為管理法、外国人職業規制法、関税法等などを調べる必要があります。

また自社がタイに進出した際にどのような事業を行うのか、将来的に行う可能性があるのかについても社内で議論することや、外部に相談したりすることが大切です。

それによってもその後に必要になる手続きや書類、また設立まででの期間が変わってきます。

BOIやIEATなど優遇政策の検討

そしてBOIやIEAT(タイ工業団地公社 IEAT:Industrial Estate Authority of Thailand)投資奨励(土地の所有が可能になったり、各種税金が免除される)など優遇政策に関しても検討しておく必要があります。

タイに進出し行う事業が対象になるのか、またそれによってどのようなメリット・デメリットが考えられそうなのかなど、会社設立をしたい期間や目的と照らし合わせながら検討することが大切です。

会社形態の決定

上記の調査や検討を行なった上で、タイでの事業を行うにはどのような会社形態がもっとも合理的なのかを判断し、決定する必要があります。

これまで説明してきたような合弁会社/BOI奨励取得の日本独資の法人/外国人事業許可証取得の日本独資の法人/日本独資の法人(製造業)での進出形態をとるのか、それとも他の形態で進出するのかを決定します。

タイの出資者の決定(100%外資でなければ)

100%の日本資本でなければ51%以上を出資してくれるタイの出資者を選んで、決定します。

タイ人の出資者に関しては定款の設定で実質的な権限をなくすことができるものの、資本金の証明なども必要になってくるため協力的で、信頼の置ける人を探して決定する必要があります。

会社名の予約・決定

タイの会社設立では会社名(商号)の予約が、会社の発起人(会社設立には発起人が3名必要)によって必要になります。

商務省登録局にwebでの手続きと通常の手続きの2種類のどちらかによって類似の商号がないか、もしくは省令で禁止する商号でないかを確認します。

問題がなければwebでは即日、通常の手続きの場合は2~3日程度で予約ができます。

また予約の有効期限に関しては30日間で、その間に基本定款へ記載し、最終の会社登記することになります。

事務所など住所の契約

基本定款に記載を行う上でもそうですし、実際にタイで事業を行う上で必要になってくるのが事務所などの会社が所在する住所です。

こちらもどのような業態でタイに進出するのかにもよりますが、バンコクには日系の不動産エージェントも多いので相談をすると良いでしょう。

筆者である私はタイで不動産業界での事業の立ち上げを行なっておりましたが、日系の中でも対応の悪い、高額な手数料を請求してくるエージェントもおりますので注意が必要です。

基本定款(MOA)の作成・登記

基本定款に、下記の必要事項を記入します。

  • 会社名(商号)
  • 登記住所
  • 資本金、発行株式数、1株当たりの額面価格
  • 会社設立の目的
  • 発起人の氏名、住所、職業、国籍、署名および各人が出資する株式数とサイ(最低3人以上の個人)
  • 株主の負う責任

作成を終えたら基本定款を登記することになります。

基本定款の登記の料金は500バーツで、webからの申請の場合は2021年現在から2023年までは250バーツとなります。

会社設立総会の開催

株式の引き受けが完了すると発起人は会社設立総会を開催し、下記の項目を検討、承認する必要があります。

  • 付属定款の採択(株主総会・取締役会等の会社の規定)
  • 発起人の設立準備行為に関する承認
  • 当初の取締役の選任と権限の取り決め、および監査人の選任
  • 株式引受人の氏名、地位、住所、引受株式数等のリストの承認
  • 株式対価の支払

監査人はタイ人の公認会計士でなければなりません。

日本の会社と違いタイでは、どのような規模の会社であっても企業に監査義務が発生しするため監査人が必要となり、氏名および免許番号の報告が義務となっています。

会社設立の登記(最終登記)

会社設立総会開催の後は、選出された取締役によって3ヶ月以内に設立総会の決定に従い、次の事項を含まなければならないんだ最終の登記を行う必要があります。

  1. 株主氏名、住所、職業、国籍、持株数(株主は、常時最低3人必要)
  2. 取締役および代表取締役の氏名、住所、職業
  3. 代表取締役の代表権(サイン権)の形態(単独署名か共同署名か)および署名
  4. 本社および会社の各支所の住所
  5. 付属定款(株主総会、取締役会等に関する会社規則)
  6. 株式により受領した初回資本金払込総額(登記資本の25%以上。なお外国人の労働許可の条件となる資本金額(1人につき最低200万バーツ)はこの実際振込額。またBOI認可企業は、生産開始までに登録資本の100%の振込が条件となっていることに注意)

登記局に支払う登記料は5,000バーツで、webでの申請に関しては2021年現在から2023年は2,500バーツとなります。

納税者番号(TAX-ID)の取得と付加価値税(VAT)の登録

タイで会社を設立したら、設立登記の日より60日の間に、法人所得税のために13桁の数字の納税者番号(TAX-ID)の申請を行う義務があります。

これは納税以外にも銀行口座の開設や各種申告の手続にも必要なので必ず行うようにしましょう。

また商品販売またはサービス提供を予定している事業者であれば、事前に付加価値税(VAT)の登録申請をしなければなりません。

ビザ・労働許可書の取得や社会保証基金・労働者保障基金への登録と拠出

タイ国内のイミグレーションか、国外のタイ大使館にてノンイミグラント・ビジネスビザを取得し、その後労働許可書(ワークパーミッド)の申請を行います。

ここでポイントとなるのが後述する資本金の話とも関連してくるのですが、日本人(外国人)を何名雇用するのかということです。

というのもタイでは日本人(外国人)の1名の雇用につき、4名のタイ人の雇用の必要があるからです。

また社会保障基金や労働者保障基金に登録し、定められた額を拠出します。

銀行口座の開設

タイで法人を設立し、事業を行う上で必要になってくるのがタイ現地の銀行口座です。

法人口座の開設は、会社設立後でかつ取締役が労働許可書(ワークパーミッド)を取得した後に作ることができるようになります。

 

以上、ここまでが大まかなタイ現地で法人設立する上での具体的な手続きと必要となる書類の説明となります。

(参照)
JETRO「外国企業の会社設立手続き・必要書類(2020年)」https://www.jetro.go.jp/world/asia/th/invest_09.html

タイで法人(会社)の設立の資本金や費用について

ここからはタイで法人(会社)の設立を行うためにかかるであろう基本的な費用に関してを解説していきます。

資本金

タイで会社を設立する際の資本金

タイで法人を設立した場合の最低の資本金は15バーツです。

ただ日本資本が40%以上になる場合は外資企業として扱われ、最低資本は200万バーツ以上となります。

また外国人事業法の規制に基づいて認可の取得する必要のある業種の場合(③外国人事業許可証取得の日本独資の法人)においては、300万バーツ以上の資本金が求められます。

先述しておりますが、日本人(外国人)を何人現地で雇用するのかによって資本金の額が変わってきます。

ビザと労働許可書を発行するにあたって1人の日本人の雇用につき、200万バーツ(約700万円)の資本金が求められますので、雇用する日本人の人数に応じて資本金額を用意、設定する必要があります。

例えば・・・
回転寿司大手のスシローがタイに進出(法人を設立し、事前調査の段階)した際には、資本金はちょうど200万バーツに設定しています。 事前調査の上で実際に店舗をオープンすると決定した際に800万バーツに増資することで雇用できる日本人の人数を増やしています。 タイ:スシローのタイ進出、3末にオープン予定【最新情報と進出過程まとめ】

より詳しい話になりますが、会社設立の際に求められる資本金証明に関しては日本側の出資証明は不要で、タイ人の口座に資本金額の出資比率に応じた金額があるかどうかが求められます。

またタイの商法においては25%分の現金が確認できれば、会社が設立が可能になるので、仮にタイ人の出資比率が51%で額面の資本金額が200万バーツの法人を設立したいと考えた場合には、200万バーツの51%(出資比率)の25%(出資証明)、つまり25.5万バーツがタイ人の口座にあれば良いということになります。

まとめると、もしタイで日本人1名を雇用する予定の法人の設立をする場合の資本金は最低でも合計で約700万円が必要ということになります。

基本定款(MOA)と会社登記の費用

タイで会社を設立する際の基本定款(MOA)と会社登記の費用

繰り返しになりますが、タイでは基本定款の登記と会社設立総会の開催の後の最終会社登記の2度に分けての登記が必要となります。

基本定款の登記の料金は500バーツで、webからの申請の場合は2021年現在から2023年までは250バーツとなります。

最終の会社登記にかかる費用は登記局に支払う登記料は5,000バーツで、webでの申請に関しては2021年現在から2023年は2,500バーツとなります。

またタイでは弁護士事務所・会計事務所等が会社設立を行うことになっており、報酬は現地事務所に依頼した際には約3~5万バーツ程度、日系の場合に関しては10~12万バーツが報酬の相場となっています。

まとめると基本定款(MOA)と会社登記の費用は多く見積もって約12万バーツ程度を想定しておくといいでしょう。

雇用者のビザ取得にかかる費用

タイでビザ・労働許可書を取得するにはほとんどの場合、代行の会社を使うことになるのですが、最初の1年間にかかる費用はおおよそ手数料も含めて3~4万バーツくらいが相場となります。

タイ人の従業員のにかかる費用

タイで会社を設立する際の人件費

タイで会社を設立した場合、日本人(外国人)1名の雇用につき、タイ人4名の従業員の雇用が必要となります。

下記が従業員の給料の相場となりますので、参考にしてください。

製造業

※年間負担額には基本給、諸手当、社会保障、残業代、賞与等が含まれた数値になります

・ワーカー(一般工職)
→年間負担総額:232,417バーツ(約82万円)

・エンジニア (中堅技術者)
→年間負担総額:873,774バーツ(約300万円)

・中間管理職(課長クラス)
→年間負担総額:394,633バーツ(約140万円)

非製造業

・スタッフ(一般職)
→年間負担総額:394,633バーツ(約140万円)

・マネージャー(課長クラス)
→年間負担総額:895,965バーツ(約310万円)

・店舗スタッフ(アパレル)
→11396バーツ/月 (約4万円)

・店舗スタッフ(飲食)
→11396バーツ/月 (約4万円)

タイで会社を設立する場合は雇用するタイ人の人数に合わせて1年分以上の給料を支払えるキャッシュと売り上げの計画を作成しておくといいでしょう。

引用:JETRO 「2017年度 アジア・オセアニア投資関連コスト比較調査(2018年3月)」https://www.jetro.go.jp/world/reports/2018/01/d78a35442e4ce3c0.html

事務所等の費用

タイで会社を設立する際の事務所費用

事務所等の費用についての記載を行なっておりますので参考にしてみてください。

・工業団地(土地)の購入価格
→5312バーツ(約2万円)(1平方メートル当たり)

・工業団地借料
→230~250バーツ/月 (約840円)(1平方メートル当たり)

事務所賃料(1平方メートル当たり)

(1)600バーツ/月 (約2,100円) (1)タイムズスクウェア(アソーク地区)
(2)800~875/月 (約3,000円) (2)エクスチェンジタワー(アソーク地区)

市内中心部店舗スペース/ショールーム賃料(1平方メートル当たり)

(1)1,500~2,500バーツ/月 (約7,000円) (1)ゲートウェイエカマイ(スクンビット通り)
(2)2,500~3,000バーツ/月 (約9,600円) (2)シーロムコンプレックス(シーロム通り)

そのほかの費用

・法人所得税
→20%

※払込済資本金500万バーツ以下、かつ収益が年度で3,000万バーツ以下の中小企業には、次の累進課税が適用されます。
・所得が1~30万バーツまで:0%
・同30万超~300万バーツまで:15%
・同300万バーツ超:20%

・付加価値税
→7%

引用:JETRO 「2017年度 アジア・オセアニア投資関連コスト比較調査(2018年3月)」https://www.jetro.go.jp/world/reports/2018/01/d78a35442e4ce3c0.html

※この費用は大まかな相場であり、この限りではありません。また実際は日系の設立の代行会社を使う場合がほとんどなので、その手数料も考えておく必要があります。

参考:

タイ法律相談 ゼロアジア 「商業登記手数料の一部改定(2021年1月1日)」
https://zero-asia.biz/companylaw/company_04.html

JETRO 「外国企業の会社設立手続き・必要書類」
https://www.jetro.go.jp/world/asia/th/invest_09.html#block1

Oceanz「タイ - 法人設立に関する費用について」
https://www.theoceanz.com/Countryinfo/thailand_cost#gsc.tab=0

 

またタイのように海外で事業を行う場合に関しては少なからずのコストがかかってきますし、資金の足りていない海外への進出は国内と共倒れの可能性もあるため、お勧めできません

は補助金や助成金を使ったタイへの進出がおすすめです。

2021年の最新の補助金・助成金一覧やメリットやデメリット、下記の記事より、ご確認ください。

【知らないと損】海外進出で使える補助金、助成金の一覧【2021年】

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タイの法人(会社)設立以外の種類・流れ・手続き・費用は?

タイの法人(会社)設立以外の種類・流れ・手続き・費用は

またタイで拠点を構えようと思うと上記で紹介した手段以外にも「支店」「駐在員事務所」「地域統括事務所」の3つが選択肢として挙げられます。

タイで支店の設立の流れ・手続き・費用

最低の資本金は300万バーツ以上の設定の必要があり、外国資本100%でおよそ180日程度の期間で設立が可能となっています。

日本に登記された会社の支店(支社)として本社と同じ事業や許可を受けた業務のみを行うことができます。

タイと海外との取引が可能となりますが制約として、1つの事業につき年間で300万バーツ(1050万円)以上の経費を使う必要があります。

ただ外国人事業ライセンスの取得が非常に難しく、主にガスプラントの設立や銀行などの支店としての設立で使われている進出の方法となります。

手続きとしては宣誓供述書、会社登記簿謄本の英訳、タイ語訳をし、役場もしくは裁判所で認証を取得、その後申請、面接、審査、許可が下りるという流れになっております。

タイで駐在員事務所の設立の流れ・手続き・費用

タイの設立する駐在員事務所は販売などの利益を伴った事業の活動ができず、主に商品の発掘などの情報の収集や品質の管理、代理店の管理や助言等や本社との連絡を行う機能をもたせたい場合に取ることが多い形態です。

開設までには3ヶ月ほどの期間を要し、商務省事業開発局に登記簿謄本、駐在員事務所の責任者の任命状、パスポートのコピー、代理人への委任状、駐在員事務所の地図の書類を提出することで企業登録番号証明書が即日発行となります。

申請・発行にかかる手数料はありませんが、200万バーツの資本金相当の現地口座への送金については求められています。

タイで地域統括事務所の設立の流れ・手続き・費用

新しく設立された法人の形態であり、海外に子会社を有している企業がタイで地域の統括の事務所として設置する際に使われる形態となっております。

100%外資での法人の設立が可能で、資本金は1000万バーツが求められます。

事業が可能な範囲としては系列のグループ会社への支援事業に限られており、主に経営一般や商品開発、技術支援、マーケティング支援などで、商品の販売やサービスの提供などを通して利益をあげることは禁止されております。

タイで地域統括事務所を設立するメリットとしては法人の所得税が10%に抑えられるということです。

【まとめ】タイ現地で法人(会社)を設立!流れ・手続き・費用

  • 日本企業のタイでの法人設立の多くは合弁会社である
  • タイでは外資規制が多いので入念に調べる必要がある
  • 登記にかかる費用、資本金、運営コストなどは必ずしも安くはないので余裕のあるキャッシュを準備しておく必要がある
  • 補助金・助成金の検討や法人設立以外の選択肢も検討すると良い

タイでの法人設立の手続きは非常に複雑で、法令の改正によっても流れや手続きの方法また費用も変わってきます。

法人を立ち上げにはコスト、時間など様々なリソースを取られてしまうので、場合によっては会社設立せずに事前調査を行なったり、テストマーケティングを検討することも必要となるでしょう。

東南アジア進出ナビではタイに進出をしたいと考えている企業様の事前調査から実務の代行までを支援しております。

「どのような形態で進出するのが良いのか」

「法人を設立する前のテストマーケティング」

「補助金や助成金を使ってコストを抑えられないか」

など東南アジアに進出する日本企業の支援に特化しているからこそできる知見と、コンサルタントの経験を元に支援をしています。

もしご興味があれば、簡単な相談からでも可能ですので選択肢の1つとして考えていただけたらと思います。

※本記事のバーツは全て日本円換算 3.5円で計算しています
※本記事の情報には細心の注意を払って記載を行なっていますが、正確性や最新性、安全性、合法性などを担保するものではないということをご了承ください。

  • この記事を書いた人

東南アジア進出ナビ編集部:松本佳一郎

マレーシアにて日系企業の不動産広告事業立ち上げを行った経験をもとに東南アジア進出・展開の情報を発信。tokonatsu代表。進出に際する事前調査から実務代行まで支援をしています。無料相談から承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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